食の力講座を開催しました(令和5年3月1日)
食の力講座を開催しました
令和5年3月1日に、郡山女子大学短期大学部 健康栄養科 水野時子先生をお迎えして、「健康に過ごすには、バランスの良い食事から」と題してご講話を頂きました。当日は、市民27名の方が参加し、自身の握力チェックや塩分チェックを行ったり、フードモデルを用いて食材に含まれる塩分量や野菜量、たんぱく質量等をわかりやすく学ぶことができました。
「塩分チェックシート」では簡単にご自身の塩分量をチェックできます。点数が高いと食生活の見直しや改善が必要となりますので、ぜひご自身の食生活の見直しにお役立てください。
「健康に過ごすには、バランスの良い食事から」(講座内容のポイント)
ポイントは3つです。
1.食生活で改善する必要のある課題
(1)塩分を減らしましょう(減塩)➡ご自分の食事内容を振り返り、できるところから始めましょう。
(2)野菜をもっと食べましょう ➡1日5~6皿の野菜料理を目指して食べましょう。
2.望ましい食事の形
主食 + 主菜(メインのおかず:たんぱく源)+ 副菜(野菜を使ったおかず)
3.食べて元気にフレイル予防
運動と食事でフレイル予防。特にたんぱく源を食べましょう。
1.食生活で改善する必要のある課題
(1)塩分を減らしましょう(減塩) 目標:今より1日3gの塩分を減らしましょう。
日本人がとっている1日あたりの塩分量は、男性10.9g、女性9.3g
(国民健康・栄養調査2019年20歳以上)
福島県民がとっている1日あたりの塩分量は、男性11.9g(全国1位)、女性9.9g(全国2位)
(国民健康・栄養調査2016年20歳以上)
目指したい1日あたりの塩分量は、男性7.5g未満、女性6.5g未満
(日本人の食事摂取基準2020年度版)
塩分の摂取が多い状況が続くと高血圧を発症します。高血圧が続くと動脈硬化が進み、命に係わる病気(脳卒中・心筋梗塞など)を引き起こす可能性が高まります。
減塩が大切であると分かっていても、自分のとっている塩分量を知ることはなかなか難しいです。そこで、チェックシートを使って自分の塩分のとり方を評価してみましょう。 あなたの塩分チェックシート
〔減塩を考えた食べ方〕
●野菜、果物を積極的に食べる。
➡野菜、果物などに含まれるカリウムには、余分な塩分(ナトリウム)を尿中に排泄する働きがあります。
●加工食品(ハム類、練り製品類、干物、漬物など)に含まれる塩分量をチェック。
➡食品表示を上手に活用しましょう。
●しょうゆなどの調味料は「かける」から「つける」にする。
●調味料の見直し ➡減塩調味料を利用してみましょう。
●みそ汁 ➡みそ汁は1日1回にし、汁を減らして具だくさんにしましょう。
●麺類の汁は残す ➡麺類の汁はできるだけ残すようにしましょう。
(2)野菜をもっと食べましょう
20~40歳代で特に野菜のとり方が不足しています。
野菜を多く食べている人は、脳卒中や心臓病、大腸がんにかかる確率が低いことが分かっています。また、野菜には妊娠を希望されている方に積極的にとってほしい【葉酸】が多く含まれています。葉酸はお腹の中の赤ちゃんの神経管の発達に必要な栄養素です。特に妊娠初期に必要です。
〔1日に食べたい野菜量は350g〕
緑黄色野菜(色の濃い野菜): その他野菜 = 1(120g) : 2(230g)
〔野菜のとり方〕目標:1日に野菜料理を5~6皿を目安に食べましょう。
・加熱調理で食べやすく(茹でる、炒める、焼く)
生野菜で食べるより調理した方がかさが減ります。
・汁物は具だくさん
ポトフ、シチュー、カレー、鍋等はたっぷりの野菜が食べられます。
・冷凍野菜、カット野菜、缶詰などを上手に利用
手間が省け、簡単に1品プラスできます。
・簡単調理
手でちぎったり、キッチンハサミを利用して簡単に調理しましょう。
2.望ましい食事の形
〔食べ物に含まれる栄養素の働き〕
(1)脳と体のエネルギーのもとになる
(2)肉や骨・血液など体をつくるもとになる
(3)体の調子を整えるもとになる
〔バランスの良い食事の形〕主食+主菜+副菜を組み合わせた食事
主食+主菜(メインのおかず:たんぱく源)+副菜(野菜を使ったおかず)、さらに1日1回は牛乳、果物もとりましょう。これらを揃えて食べることで、栄養素の3つの働きの材料を体に取り入れて、元気に過ごすことにつながります。
1日2回以上、主食・主菜・副菜をそろえて食べましょう。
➡食堂などで食べる定食、また学校で提供される給食の形です。
〔自分の食事をチェッしてみましょう〕
食事バランスをチェックしてみましょう。
とれていない食品があった場合は、意識して、次の日に食べましょう。
3.食べて元気にフレイル予防
フレイルとは、「加齢とともに、心と体の働きが弱くなってきた状態」をいいます。(要介護に至る前段階)
健康 ⇔ フレイル ⇔ 要介護
早めの対策で、フレイルの予防や改善ができ、健康な状態で生活ができます。
〔フレイルチェック(5項目)〕
1 体重減少 6ヶ月で2kg以上減った。
2 疲労感 ここ2週間、わけもなく疲れたような感じがする。
3 身体活動 ウォーキングなどの軽い運動や体操を週1回もしていない。
4 歩行速度 横断歩道を青信号の間に渡りきることが難しくなった。
(歩いて、1秒間に1m進めない速さ)
5 握力低下 ペットボトルのふたが開けにくくなった。
(握力:男性 <28Kg、女性 <18Kg)
《フレイル診断》
・1つあてはまる ➡元気なうちから予防しましょう。
・3つ以上あてはまる ➡すでにフレイル状態。
〔望ましい体格 目標とするBMI(体格指数)(18歳以上)〕
ご自身のBMIを計算してみましょう。
BMI = 現在の体重(Kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
例: 50kg ÷ 1.5(150cm)÷ 1.5 = BMI 22.2
年齢(歳) | 目標とするBMI |
---|---|
18~49 | 18.5~24.9 |
50~64 | 20.0~24.9 |
65~74 | 21.5~24.9 |
75以上 | 21.5~24.9 |
〔運動と食事でフレイル予防〕食事だけでなく運動も大切です。
〔フレイル予防のための食事〕たんぱく質を含む食品をしっかり食べましょう。
1 3食、しっかり食べましょう。
2 1日2回以上、主食 + 主菜(たんぱく源) + 副菜(野菜)を組み合わせた食事をとりましょう。
3 たんぱく質は、体重1kg当たり1gを目安にとりましょう。
4 毎回の食事にたんぱく源をとりましょう。
例)朝:納豆・目玉焼き 昼:焼き魚(塩鮭) 夜:豚肉入りけんちん汁
手軽な缶詰、かつお節、粉チーズなど利用してみましょう。
食品名 | たんぱく質量(g) |
---|---|
魚 1切れ | 約17g |
肉 80g | 約17g |
卵 1個 | 約6g |
豆腐1月3日丁又納豆1パック | 約6g |
牛乳 200cc | 約6g |
ご飯 100g | 2.5g |