○本宮市男女共同参画推進条例
平成19年1月1日
条例第9号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第9条)
第2章 男女共同参画の推進に関する基本的施策(第10条―第22条)
第3章 本宮市男女共同参画審議会(第23条―第26条)
第4章 雑則(第27条)
附則
日本国憲法には個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、様々な形で男女平等の実現に向けた取組が行われてきている。
本宮市においても、男女が固定的な役割分担にとらわれず、共に十分な能力を発揮できる社会の実現を目指し取り組んでいる。
しかしながら、性別による固定的な役割分担意識やそれに基づく社会慣行が依然として存在し、地域社会のあらゆる分野において、男女の実質的な平等が達成されていない状況にある。
さらに、少子高齢化の進行や高度情報化の進展などの社会経済環境の急激な変化への対応や住民参加によるまちづくりが求められる中、豊かで活力ある本宮市を築いていくためには、男女がお互いにその人権を尊重し、責任を分かち合い、個性と能力を十分に発揮することのできる社会を形成していくことが重要である。
このような認識に立ち、男女平等を基本とした男女共同参画社会の実現を目指すことを決意し、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、本宮市における男女共同参画の推進に関し、基本理念を定め、市、市民、事業者及び教育に携わる者の責務を明らかにするとともに、市が実施する施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画を総合的かつ計画的に推進し、男女共同参画社会を実現することを目的とする。
(1) 男女共同参画 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思により社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保されるとともに、男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を受けることができ、かつ、共に責任を担うことをいう。
(2) 積極的改善措置 前号に規定する活動に参画する機会に係る男女間の格差を改善するため、必要な範囲において、男女のいずれか一方に対し、当該活動に参画する機会を積極的に提供することをいう。
(3) 事業者 営利、非営利を問わず、市内において事業活動を行う個人及び法人その他の団体をいう。
(基本理念)
第3条 男女共同参画は、次に掲げる基本理念にのっとり推進されなければならない。
(1) 男女が、性別により差別的取扱いを受けることなく、個性や能力が十分に発揮できる機会が確保されるとともに、男女の個人としての人権が尊重されること。
(2) 性別による固定的な役割分担意識に基づく社会における制度や慣行が、男女の社会における活動の自由な選択に影響を及ぼさないよう配慮されること。
(3) 男女が、社会の対等な構成員として、市における政策又は家庭、職場、学校、地域その他の社会のあらゆる分野における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されること。
(4) 家族を構成する男女が、互いの協力と社会の支援の下に、家庭生活における活動と職場、学校、地域等における社会的活動を両立できること。
(5) 子どもを安心して産み、育てるため、家庭、地域その他の社会のあらゆる場において、男女が共に積極的に子育てに参画するとともに、その環境づくりへの取組が推進されること。
(6) 学校教育その他のあらゆる教育の場において、男女共同参画への理解を深めるための取組が推進されること。
(7) 男女が、対等な関係の下に、互いの性に関する理解を深め、妊娠、出産その他の性と生殖に関する事項について自らの意思が尊重されるとともに、生涯にわたり健康な生活を営むことについて配慮されること。
(8) 国際社会の動向に留意し、国際的な取組と協調して推進されること。
(市の責務)
第4条 市は、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的かつ計画的に策定し、及び実施するものとする。
2 市は、男女共同参画の推進に当たっては、市民、事業者及び教育に携わる者(以下「市民等」という。)との協働並びに国及び他の地方公共団体との連携に努めるものとする。
3 市は、市民等に対して男女共同参画の推進に関する情報の提供その他必要な支援を行うものとする。
4 市は、男女共同参画の推進に関する施策を実施するために必要な体制を整備するとともに、財政上の措置その他必要な措置を講じるよう努めるものとする。
(市民の責務)
第5条 市民は、男女共同参画についての理解を深め、基本理念にのっとり、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野において、自ら積極的に参画するよう努めなければならない。
2 市民は、性別による固定的な役割分担意識に基づく制度又は慣行の改善に努めなければならない。
3 市民は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、男女共同参画についての理解を深め、基本理念にのっとり、積極的に男女共同参画の推進に努めなければならない。
2 事業者は、男女がその事業活動へ対等に参画する機会を確保するとともに、事業活動と家庭等における活動を両立することができる環境づくりに努めなければならない。
3 事業者は、市が実施する男女共同参画の推進に関する施策に協力するよう努めなければならない。
(教育に携わる者の責務)
第7条 学校教育その他のあらゆる教育に携わる者は、男女共同参画についての理解を深め、基本理念にのっとり、男女共同参画の推進に果たす教育の重要性を考慮し、男女共同参画の理念に配慮した教育を行うよう努めなければならない。
(性別による権利侵害の禁止)
第8条 何人も、家庭、学校、職場、地域その他の社会のいかなる場所においても、直接的であるか間接的であるかを問わず、性別による差別的取扱いをしてはならない。
2 何人も、家庭、学校、職場、地域その他の社会のいかなる場所においても、男女間における暴力的行為(精神的な苦痛を与える行為を含む。)を行ってはならない。
3 何人も、家庭、学校、職場、地域その他の社会のいかなる場所においても、セクシュアル・ハラスメント(性的な言動により、相手に不利益を与えること又は相手の生活環境を害することをいう。)を行ってはならない。
(情報の表示に関する留意)
第9条 何人も、公衆に表示する情報において、次に掲げる表現を使用しないよう努めなければならない。
(1) 性別による固定的な役割分担意識を助長させる表現
(2) 男女間における暴力的行為等を助長させる表現
第2章 男女共同参画の推進に関する基本的施策
(基本計画)
第10条 市長は、男女共同参画の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、男女共同参画の推進に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。
2 市長は、基本計画を定めようとするときは、市民等の意見を反映するよう努めるとともに、本宮市男女共同参画審議会に意見を求め、その意見を尊重しなければならない。
3 市長は、基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
4 前2項の規定は、基本計画の変更についてこれを準用する。
(市民等の理解を深める措置)
第11条 市は、男女共同参画の推進について市民等の理解が深められるよう広報活動その他必要な措置を講じるものとする。
(市民等の活動への支援)
第12条 市は、市民等が行う男女共同参画を推進するための自主的な活動に対して、情報の提供その他必要な支援を行うものとする。
(政策等の決定過程への共同参画の推進)
第13条 市は、市の政策の立案から決定までの過程に、男女が共同して参画する機会を確保するよう努めるものとする。
2 市は、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野における活動の意思決定の場において、男女が共同して参画する機会が確保されるよう情報の提供その他必要な支援を行うものとする。
(家庭生活とその他の活動の両立への支援)
第14条 市は、家庭生活における男女共同参画の意識を高め、男女が共に子育て、介護その他の家庭生活における活動と社会のあらゆる分野における活動を両立することができるよう情報の提供その他必要な支援を行うものとする。
(事業者からの報告)
第15条 市長は、男女共同参画の推進に関し必要があると認めるときは、事業者に対して、事業活動における男女共同参画の推進の状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
(事業者の表彰等)
第16条 市長は、男女共同参画の推進を積極的に実施している事業者を表彰し、公表するものとする。
(自営業の分野における男女共同参画の推進)
第17条 市は、農業、商工業その他の自営業に従事する女性が、主体的にその能力を発揮し、対等な構成員として、方針の立案及び決定に参画する機会が確保されるよう情報の提供その他必要な支援を行うものとする。
(男女共同参画に関する教育の充実)
第18条 市は、男女共同参画への理解を深めるため、学校教育その他のあらゆる教育の場において、男女共同参画の推進に配慮した教育の充実が図られるよう必要な措置を講じるものとする。
(積極的改善措置への支援)
第19条 市は、社会のあらゆる分野における活動において、男女間に参画の機会の格差が生じている場合は、市民等と協力して積極的改善措置が講じられるよう努めるとともに、情報の提供その他必要な支援を行うものとする。
(調査研究)
第20条 市は、男女共同参画の推進に関する施策を効果的に実施するため、必要な調査研究を行うものとする。
(苦情等の申出及び処理)
第21条 市民等は、次に掲げる苦情又は相談があるときは、市長に申し出ることができる。
(1) 市が実施する男女共同参画に関する施策又は男女共同参画の推進に影響を及ぼすと認められる施策に対する苦情
(2) 性別による差別的取扱いその他の男女共同参画の推進を阻害する要因により人権が侵害されたことについての相談
2 市は、前項に規定する苦情又は相談を受けたときは、関係機関等と連携をとり、適切な措置を講じるよう努めるものとする。
(施策の実施状況の公表)
第22条 市長は、毎年、男女共同参画の推進に関する施策の実施状況を公表するものとする。
第3章 本宮市男女共同参画審議会
(設置)
第23条 男女共同参画の推進について、市長の諮問に応じ、調査審議するため、本宮市男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(所掌事務)
第24条 審議会は、次に掲げる事項について調査審議する。
(1) 基本計画に関する事項
(2) 男女共同参画の推進に関する基本的事項及び重要事項
2 審議会は、男女共同参画の推進に関し必要と認める事項について、市長に意見を述べることができる。
(組織)
第25条 審議会は、委員12人以内で組織し、男女のいずれか一方の委員の数は、委員の総数の10分の4未満であってはならない。
2 委員は、学識経験のある者その他市長が適当と認める者のうちから、市長が委嘱する。
3 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
4 委員は、再任されることができる。
(委任)
第26条 この章に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
第4章 雑則
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成19年1月1日から施行する。