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更年期障害について

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年12月12日更新

 男女ともに40歳代に入った頃からホルモンバランスの影響により、様々な体調不良や情緒不安定などの症状が現れやすい時期となります。  

 女性の場合は、閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間(平均閉経年齢50.5歳)を「更年期」と言います。女性ホルモンの減少に加え、加齢などの身体的因子、性格などの心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に影響して発症すると考えられています。

 男性の場合は、男性ホルモンが加齢とともに穏やかに減少することで症状が出てきますが、個人差は大きく、40歳代以降どの年代でも起こる可能性があります。女性の閉経のような区切りがないため、自覚しにくいと言われています。  

主な症状

【女性】 

〇身体的症状 (ほてり、のぼせ、発汗、めまい、動悸、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさなど)

〇精神的症状 (気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠など)

【男性】

〇身体的症状 (ほてり、発汗、疲れやすさ、肩こり、腰痛、頻尿など)

〇精神的症状 (イライラ、不安、うつ症状、不眠、集中力・記憶力の低下など)

〇性機能症状 (ED(勃起不全)、性欲の低下など)

 

※症状には個人差がありますが、他の病気が隠れている可能性もあるため、症状がつらい時には我慢せずに受診することが大切です。

  女性は婦人科や更年期外来など、男性は泌尿器科などに相談してみましょう。

  何科を受診すればよいか分からない時には、まずはかかりつけ医に相談してみましょう。

 

女性の更年期障害セルフチェック

 女性の更年期症状の状況を示す一つの指標として、SMIスコア(簡略更年期指数)があります。

 このスコアは、更年期の女性が医療機関を受診する目安などを一定の方法で評価したものであり、スコアの高さ自体が更年期障害を示すものではありません。

 まずは気軽にチェックしてみましょう。

  更年期障害チェック(こちらで自動計算ができます) <外部リンク>

SMIスコア(簡略更年期指数)
症状 点数
1.顔がほてる 10 6 3 0  
2.汗をかきやすい 10 6 3 0  
3.腰や手足が冷えやすい 14 9 5 0  
4.息切れ、動悸がする 12 8 4 0  
5.寝つきが悪い、または眠りが浅い 14 9 5 0  
6.怒りやすく、すぐイライラする 12 8 4 0  
7.くよくよしたり、憂うつになることがある 7 5 3 0  
8.頭痛、めまい、吐き気がよくある 7 5 3 0  
9.疲れやすい 7 4 2 0  
10.肩こり、腰痛、手足の痛みがある 7 5 3 0  
合 計 点 点/100点

 【自己採点の評価法(合計点)】

   0~25点:上手に更年期を過ごしています。これまでの生活態度を続けていいでしょう。

 26~50点: 食事、運動などに注意を払い、生活様式などにも無理をしないようにしましょう。

 51~65点:医師の診察を受け、生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けた方がいいでしょう。

 66~80点:長期間(半年以上)の計画的な治療が必要でしょう。

 81~100点:各科の精密検査を受け、更年期障害のみである場合は、専門医での長期的な対応が必要でしょう。

                                (チェックリスト:厚生労働省 更年期症状・障害に関する意識調査(結果概要)より)

男性の更年期障害セルフチェック

  男性の更年期症状の状況を示す一つの指標としてAMSスコア(男性更年期障害質問票)があります。

  更年期障害の診断は、AMSスコアのみで診断されるのではなく、その他診察等によって行われます。まずは気軽にチェックしてみましょう。

AMSスコア(男性更年期障害質問票)
症状 なし 軽度 中等度 重度 極めて重度 点数
1.肉体的にも精神的にも調子が悪い 1 2 3 4 5  
2.関節や筋肉に痛みがある(腰痛・関節痛など) 1 2 3 4 5  
3.発汗・のぼせ 1 2 3 4 5  
4.眠れない、眠りが浅い 1 2 3 4 5  
5.よく眠くなるし、しばしば疲れを感じる 1 2 3 4 5  
6.いらいらする、不機嫌になる 1 2 3 4 5  
7.神経質になった 1 2 3 4 5  
8.不安になりやすい 1 2 3 4 5  
9.やる気がない、無気力、疲労感が取れない 1 2 3 4 5  
10.筋力の低下 1 2 3 4 5  
11.憂うつな気分、無力感 1 2 3 4 5  
12.自分のピークは過ぎたと感じる 1 2 3 4 5  
13.燃え尽きたと感じる、どん底の状態だと感じる 1 2 3 4 5  
14.髭の伸びが遅くなった 1 2 3 4 5  
15.性的能力の衰え 1 2 3 4 5  
16.朝立ちの回数が減少した 1 2 3 4 5  
17.性欲の低下 1 2 3 4 5  
合 計 点 点/85点

 【訴えの程度】 17~26点:なし、 27~36点:軽度、 37~49点:中等度、 50点以上:重度

                                (チェックリスト:厚生労働省 更年期症状・障害に関する意識調査(結果概要)より)

主な治療法

  主に、漢方薬やホルモン補充療法などによる治療が行われます。症状によっては、睡眠剤や向精神薬を使うこともあります。

  薬物療法だけでは十分でない場合には、カウンセリングを行うこともあります。

 

 ※この時期に起きる様々な問題を一人でかかえこまず、周囲の人や医療機関等に相談することが大切です。

  また、生活リズムを整え、更年期をネガティブに捉えず、生きがいを持って生き生きとした毎日を過ごすことが更年期障害の予防ともいえます。

関連サイト

 更年期障害(e-ヘルスネット)<外部リンク>

 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ 「更年期障害とは?」<外部リンク>

 男性更年期障害(日本内分泌学会)<外部リンク>