○本宮市環境基本条例

平成20年9月18日

条例第40号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 環境の保全と創造に関する施策(第7条―第16条)

第3章 環境審議会(第17条―第21条)

附則

私たちのまち本宮市は、福島県のほぼ中央に位置し、市の中心部には阿武隈川の流れとともに、平地が広がり、東部は、阿武隈山系からなる山並みや丘陵地、西部には安達太良山から連なる山並みを有し、水と緑豊かな恵みを受けている。

このような自然地形条件の下に、動植物が生息し、河川、ため池、森林等の自然資源が確保されているまちであるとともに、昔から交通の要衝でもあり、先人たちの努力により産業がバランスよく発達してきた。

しかし、近年の社会経済活動は、大量生産、大量消費、大量廃棄などにより資源やエネルギーを消費し、自然の再生能力を超えるような負荷を与えることとなり、環境の劣化が大きく進み、持続可能な社会の維持が難しい状況にある。

このような環境への影響は、地域社会にとどまらず、地球規模までに広がり、ますます複雑・多様化する様相を呈する一方で、将来にわたる問題として認識され、世界的に様々な環境への取り組みが進められている。

私たちは、等しく健全で豊かな環境の恵みを享受する権利を有するが、同様に豊かな環境を守り、育てながら未来へと引き継ぐ責務も負っている。

このような認識の下、人類の生存は自然環境がもたらす恩恵によって支えられ、育まれてきたことを改めて認識し、市、市民及び事業者の全てが協働し、環境への負荷の低減に努めるとともに豊かで快適な環境を保全しながら創造していくため、ここに本宮市環境基本条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、環境の保全と創造についての基本的な考え方を定め、市、市民及び事業者の責務を明らかにするとともに、環境の保全と創造に関する施策の基本的な事項を定めることにより、現在及び将来の市民が健康で安全かつ快適な文化的生活を営むことができる良好な環境の実現に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となっているもの及びそのおそれのあるものをいう。

(2) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又は広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。

(3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに動植物及びその生育環境を含む。)に係る被害が生ずることをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全と創造は、全ての市民が健康で安全かつ快適な文化的生活を営むことができる良好な環境を確保し、これを将来の世代へ継承していくことを目的として行われなければならない。

2 環境の保全と創造は、人と自然が共生し、環境への負荷の少ない持続的発展が可能なまちの実現を目的として行われなければならない。

3 地球環境保全は、人類共通の課題であり、すべての日常生活及び事業活動において、積極的に推進されなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、基本理念に基づき、環境の保全と創造に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、実施するものとする。

2 市は、市民及び事業者が環境への理解を深め、かつ、意欲を高めるため必要な措置を講じなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念に基づき、その日常生活において環境への負荷の低減に自ら努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、市民は環境の保全と創造に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全と創造に関する施策に協力しなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念に基づき、その事業活動に伴って生じる環境への負荷を低減するため、自己の責任において、必要な措置を講じなければならない。

2 事業者は、法令、条例等の規定に違反しない場合においても、良好な環境を損なうことのないよう最大限の努力を払わなければならない。その事業活動により良好な環境の侵害に係る紛争が生じたときも同様とする。

第2章 環境の保全と創造に関する施策

(基本方針)

第7条 市は、環境の保全と創造に関する施策を策定し、実施するに当たっては、基本理念に基づき、次に掲げる事項を基本方針とし、総合的かつ計画的に行わなければならない。

(1) 地球温暖化防止を推進するため、省資源、省エネルギーの推進を行う。

(2) 循環型社会を構築するため、廃棄物の適正処理及び減量化等の推進を行う。

(3) 豊かな自然環境を保つため、生物の多様性を保全するとともに、河川、ため池、森林、農地等の自然環境を体系的に保全し、自然と共生できる地域づくりを行う。

(4) 良質で健康的な生活環境を確保するため、公害の未然防止、緑化の推進、歴史的・文化的な景観の形成等を行う。

(環境基本計画)

第8条 市長は、環境の保全と創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、その基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を策定しなければならない。

2 市長は、環境基本計画を策定するに当たっては、市民等の意見の反映に努めるとともに、本宮市環境審議会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、環境基本計画を策定したときは、速やかにこれを公表しなければならない。

4 第2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(市の施策と環境基本計画との関係)

第9条 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、実施するに当たっては、環境基本計画との整合を図るとともに、環境の保全と創造に配慮しなければならない。

(市民等の意見の反映)

第10条 市は、環境の保全と創造に関する施策を策定し、実施するに当たっては、市民等の意見の聴取及び反映に努めるものとする。

(開発事業等に係る環境の配慮)

第11条 市は、土地の形質の変更、工作物の新設その他の自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれがある事業(以下「開発事業等」という。)を行おうとする者が当該事業の実施に当たり、あらかじめ当該事業に係る環境への影響について適正に配慮するよう、自然環境の保全、開発事業等の必要性その他の総合的見地から助言その他の必要な措置を講ずるものとする。

(市の率先実行)

第12条 市は、自らが事業者及び消費者としての立場であるとの認識のもとに、環境の保全と創造に資する行為を率先して実行するものとする。

(環境教育及び環境学習の推進)

第13条 市は、市民等が環境の保全及び創造についての関心と理解を深めるとともに、市民等による自発的な環境活動を行う意欲が増進されるようにするため、環境教育及び環境学習が推進されるように必要な措置を講ずるものとする。

(環境施策の実施状況の公表)

第14条 市長は、毎年度、環境の保全と創造に関する施策の実施状況等を取りまとめ、その概要を公表するものとする。

(国、県及び他の自治体等との協力)

第15条 市は、環境の保全と創造に関する広域的な取り組みを必要とする施策については、国、県及び他の自治体等と協力して推進するよう努めるものとする。

(地球環境保全の推進等)

第16条 市は、地球環境の保全に資するため、地球温暖化の防止、オゾン層の保護等に関する施策の推進を図るとともに、環境の保全及び創造に関する国際的な連携に努めなければならない。

第3章 環境審議会

(設置)

第17条 市長の環境の保全と創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するうえで必要な事項を調査審議するため、本宮市環境審議会(以下「審議会」という。)を設置する。

(所掌事務)

第18条 審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議する。

(1) 環境基本計画に関すること。

(2) 環境の保全と創造に係る基本的事項に関すること。

(3) その他、環境の保全と創造に関し必要な事項に関すること。

2 審議会は、環境の保全と創造に関する重要事項について、必要があると認めるときは、市長に意見を述べることができる。

(組織)

第19条 審議会は、市長が委嘱する委員15人以内をもって組織する。

2 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が任期の途中で欠けた場合の後任者の任期は、前任者の残任期間とする。

(会長及び副会長)

第20条 審議会に会長及び副会長を置く。

2 会長及び副会長は、委員の互選により定める。

3 会長は、会務を総理し会議の議長となる。

4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。

(会議)

第21条 審議会の会議は、会長が招集する。

2 審議会は、委員の半数以上が出席しなければ会議を開くことができない。

3 審議会の議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは議長が決するところによる。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(本宮市環境審議会条例の廃止)

2 本宮市環境審議会条例(平成19年本宮市条例第145号)は、廃止する。

本宮市環境基本条例

平成20年9月18日 条例第40号

(平成20年9月18日施行)